NARRATIVE

闘病日記と化した雑記です。

better late than never!(「永遠にやらないよりは遅れてでもやった方がまだ良し!」)

 

 

『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』を、読んだ。

 

多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 (サンクチュアリ出版) | Jam, 名越康文 |本 | 通販 | Amazon

 

結果として、タイトル以上の感動はなかった。この言葉に出会った時の衝撃と、腑にズドーンと落ちる感覚は忘れられない。同じような過敏さで世界と戦う人の存在は救われる気がする。どんな出来事も忘れられるのが人間の偉大さであり、愚かしさでもある。それが自然であるべきだ。他人の在り方をどう考えても仕方がない。

自分が何をすべきか、どうあればよいのか。この半年間悩み続けた。未だに答えはでない。自分のこころに従うべきなのだろうが、そのこころが混乱して言うことを聞かない。

行動を起こすべきなのか。それとも、辛いことに蓋をして生きていくべきなのか。

と、何かあった人は考えるだろう。これは実は防衛機制の力でもある。人がなにか大きいショックを受けた時、この機能が働きだす。わたしは精神保健を履修した際に知った。なので、混乱時の自分がどの防衛機制を行っているか、瞬時に考える癖がついた。これは役に立つので、ご紹介したい。詳しくは以下より引用させてもらう。

防衛機制とは・・・
防衛機制(ぼうえいきせい、defense mechanism)とは、危険や困難に直面した場合、受け入れがたい苦痛・状況にさらされた場合に、それによる不安や体験を減弱させるために無意識に作用する心理的なメカニズムのことである。通常は単独ではなく、複数の要因が関連して作用する。

■抑圧
欲求不満や不安を無意識に抑え込んで忘れてしまおうとする。
■合理化
最もらしい理屈や理由をつけて正当化しようとする。
例)仕事の失敗を、無理やり押し付けた上司のせいにする。
■同一視
他人の長所や能力・実績をまねして自己評価を高めようとする。
例)有名人の服装や言動を真似る。
■投影(投射)
自分の後ろめたい感情や衝動を他人のものとして非難する。
例)自分が嫌っているのに、相手が自分のことを嫌っていると思い込む。
■反動形成
抑圧されている感情や態度が、正反対の行動として表れる。
例)相手に好意を抱いているのに、悟られないために素っ気ない態度をとる。
■逃避
困難な状況から逃れようとする。状況から逃避する場を設ける。
例)試験前に大掃除をする(現実への逃避)。
  試験前に高熱や腹痛を訴える(病気への逃避)。
  試験前に将来の夢や試験後のことを想像する(空想への逃避)。
■退行
幼児期など、現時点の発達の前段階に逆戻りする。
例)赤ん坊のようにふるまって他人の気を引こうとする。
■代償
ほかの欲求に置き換えて満足しようとする。
例)勉強ができないからスポーツで活躍する。
■昇華
社会的に承認されない欲求を文化的・社会的に望ましい価値あるものへ置き換える。
例)失恋を機に勉学に励む。

防衛機制 | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー]

 

当初わたしは、合理化→抑圧のプロセスを踏んでいた。おそらく現在は、逃避を経て代償や昇華の段階にあると考えるのが相応しい。また、カウンセラーにスキーマ療法を勧められ、自分の過去と向き合う作業を淡々と行っている。目に見えて症状が回復したとは言い難いが、これらの知識と訓練は、少しの生きやすさを生み出してくれた。思考停止するしかなかった過去と比べれば、幾分かレジリエンスを獲得した自分がいる。知恵は美しい鋼鉄の盾である。

 

 

さて、冒頭の話題に立ち返る。『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』を読み、わたしが思ったことはたった一つだ。「なぜ被害者が知的/肉体的労力をかけ、こころの傷を治している間に、そいつ、パフェ食ってんの?」である。理不尽以外の何物でもない。しかし、それがどうやら人生というものらしい。いじめをした人間が全員捕まるわけではない。その多くはのうのうと生き、粛々と税金を納め、くだらない日々を笑ったり泣いたりして過ごしているのだ。

 

もう私はうんざりだ。

 

うんざりしたところで、夜毎の悪夢も強烈な不安感もどこにいくわけでもないのだが。

 

先日、宇多田ヒカルのブログを読んでいたら「better late than never!(「永遠にやらないよりは遅れてでもやった方がまだ良し!」)」と書いてあった。なんだか勇気をもらえる気がした。少なくとも、わたしは今、文字を打って、生きようとしている。どんな事があったのか明確に記せない。ただ黙々と、ひたすら闘病を続けている。それで精一杯の現状がある。ただ、身体のなかで蠱毒のように高まる毒性が、わたしを蛇のような人間にしていることは否めない。いつかこの憎しみがまさに鎌首をもたげ、行動を起こす時が来るのかもしれない。あなたはパフェを食べていればいい。わたしは戦い続ける。どのような形であれ、永遠にやらないよりは、遅れてでもやった方がまだ良し、なのだから。