詩にも満たない③
水平線の光を目指して歩けば歩くほど
浅瀬で溺れるような感覚がある
どうしていつも上手くいかないんだと
泣いているあなたが見える深夜に
撫ぜる権利をもたぬわたしと
遠慮ない無礼者に囲まれるあなたが見える海岸に
ほんとうの共感者は静かに見つめている
やがてなにかを思い
流れ去る
幸せな虚構が残される
あなたの孤独を受け止めない者の胸で眠るなよ
そこにばら撒かれているのは鎮痛剤にもなりきらない安物の阿片だ
眠りとともに吸い込まれ夢とともに幻覚を見せては目覚めとともに失われる気休めだ
いいね
言いたくないところから出づる言葉だけが真実だよ
決して打ち消さないで
こころに耳をそばだてて
大切にしてあげて
いくら摩っても温まらない冷え性の魂が僕たちの中で泣いていたとしても誰にも救えないことなんて分かりきってるじゃないか
さみしい