日記 7/21-23
人を裏切った分だけ、自分を信じられなくなる。
忘れないでいようね。
(去年の今頃。元気に革命やってたね。
あの時から私は変わった。今年も変わらなきゃ)
わたしは禁酒をするといい子になる。
稽古以外は基本的にお家でじっとしていた。
カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」を読み進めている。丁寧に、回顧の独白により進められるこの物語は、精神安定に丁度いい。1本の糸を辿っているような感覚になる。
人生はなにも分からない。だから、暗闇の中で手にとった蜘蛛の糸のような存在。それが私にとって小説であり言葉だ。
物語がどこにたどり着くのか、読み終えるのが楽しみだ。
22日に通し稽古があったので、前日は緊張で眠れなくなった。まったく仕方ない。いつになれば安心するのだろう? いや、きっとそんな日が来ることはない。むしろ緊張しなくなったら終わりなんじゃないか。安定しちゃったらつまらない。ずっと不安定に、恐怖で目を見開きながら、最後まで警戒して進もう。
レディオヘッド。最近聞いている。
10月に来日するロー・ロアのチケットを未だに握りしめている。本当に来てくれるのだろうか。この状況で元のキャパでライブはできないだろうなあ。再選考になるのだろうか。それでも、聞きたいし出会いたい。異国で生まれ育った人と、音楽で孤独を共感するということが私にはとても嬉しくて、生きていきたくなる。
どこか遠いところからやってくる音楽。
心の奥底から響いてくる歌詞。リリック。
そういうものが本当に好きだ。
私が演劇で表現したいことは、つまるところそういうものなのかもしれない。
どこか遠いところ、心の奥底、孤独。
パフォーマーとしての役者。
アーティストとしての役者。
アスリートとしての役者。
人間としての役者。
そして人生は続く。
2020/07/23 御法川わちこ