NARRATIVE

闘病日記と化した雑記です。

理解には遠く及ばない雑記

 

「駆け引き」の意味も知らない人々が、誰かと幸福になりたいと嘯く街中で、わたしはひとり、心底、君に会いたいと思う。君に会って、この耳に流れ込む雑音が、この目に映る無造作な、あまりにも無造作な崩壊が、すべて消え去ればいい。安い酒が悲しみの身代わりになって死んでいく。みんな朝がやってくることを祈っている。

 

その夜にわたしは、どんなに自分の身体が強ばっているのかを知る。ほんとうの笑顔はここでしか見せまいと決意する。その部屋にはいつも少しの変化と、安定が漂う。ご飯を作ろう。明日も健康でいてほしいから。世界でいちばん尊い願いは、こんなお椀のうえに乗っかっている。

 

その朝にわたしは、世界のうつくしさを知る。まるで祝福されるように目が覚める。生まれ変わったら空は燃えるのだと理解する。眠るために死んで、目覚めるために生きて、愛が、ただ愛だけが、真実を教えてくれる。そしてまたその虹彩に救われるんだよ。君は知らない。朝日をうけた瞳の奥にある静謐な広がり。知らなくていい。

 

 

ツー、と降りてくる透明な、

 

 

子どもの頃。「蜘蛛の糸」でほんとうに救われるべきだったのは、御釈迦様だと信じてやまなかった。

 

 

 

 

朝。