NARRATIVE

闘病日記と化した雑記です。

こころが煮こごりになっても

 

肋骨の隙間に愛が挟まってとれない

 

どうにも不在のなかに存在があるようだ

 

痛みが味覚のない過去を知らしめる

 

自分の耳からしか心臓の鼓動は聞こえない

 

ここからじゃ見えない

 

遠くから慣れ親しんだ闇がみている

 

指先から後悔が錆のようにひろがる

 

もうすぐ唇に届くのだろう

 

少しずつ口角が上がらなくなる

 

あれから魂が半分に割れてしまった

 

片割れはどこか少し遠いところで息をしている

 

気配だけが見ている

 

わたしはまだ生きている

 

もういいんだ

 

すべての人に理解されなくてもいい

 

すべての人に好かれなくてもいい

 

知らず知らずのうちにコンパスが回って

 

こころのなかに聖域ができている

 

光る窓辺に腰掛けた人々が見ている

 

その視線のあたたかさがわかる

 

凝り固まって煮こごりのようになったこころが

 

柔らかに溶けていくのをかんじる

 

つまらない人間になっていくのかな

 

 

父と母がわたしに背負わせた

この世に産まれるという罪を

誰かと睦み合いながら

神に許しを乞うために

生きているのか

 

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